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てぃくる 481 ちょっとの違いじゃないか [てぃくる]



krg.jpg
(クロガネモチの果実)



マラカスを落としたら」
「じゃらじゃら」
「マスカラを落としたら」
「貧弱」

「恋したいとささやかれたら」
「よろめく」
「腰痛いとぼやかれたら」
「サロンパス貼れ」

「馬鹿野郎とどやされたら」
「むかつく」
「ヤバかろうとさとされたら」
「あわてる」

「元気出せと肩を叩かれたら」
「うれしい」
「現金出せと顔を殴られたら」
「死んだふり」

「猫をかぶってる女は」
「うざい」
「子猫をかぶってる娘は」
「かわいい」

「昨日来なかったねと言われたら」
「また行きたくなる」
「一昨日来やがれと言われたら」
「二度と行かない」

「誰か来るまで待ってるって」
「気が長いな」
「誰か車で待ってるって」
「気が利くな」

「戦争反対ってデモった」
「目立ってるなあ」
「浅草寺は反対って教えたった」
「役立ってるなあ」

「半年定期を落としたのは痛い」
「痛すぎるだろ。それ」
「半年定期にしたのは敗退」
「利率が痛すぎる」

「俺たちは似ているって」
「おまえとか? 嬉しくないぞ」
「俺たちを煮ているって」
「煮ても焼いても食えないだろ」





  どれも同じはずの蜜柑の外れ引き






No Difference by Everything But The Girl



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てぃくる 480 静かな会話 [てぃくる]


「よう、松ぼっくり。おまえは生きてるのか?」
「いや、俺はもう枯れ果てている。殻だ」

「ふむ。枯れているのに愛されているんだな」
「枯れてはいるが、まだ朽ちてはいないからな」

「朽ちたらどうなるんだ?」
「松ぼっくりだとわからなくなるから、見捨てられる」

「それは……悲しいな」
「いや。いつまでも朽ちずにむくろを晒し続ける方が悲しい」

「なるほど」
「万年茸。おまえさんは生きてるのかい?」

「一応な。ただ、長持ちしそうに見えて一年も保たん」
「意外だな」

「からからに干し上げられると、長持ちするけどな」
「俺と同じで、殻だけだろ?」

「そう。縁起物だと言われるが、俺にとっては縁起でもない」
「ははは」



mnt.jpg

 硬くて動かないもの同士の会話。
 それは永劫に続くように見えて、ごく限られた期間にしか交わせない。
 松笠は朽ちるまでに時間を要するが、万年茸はすぐぼろぼろに朽ちるからだ。

 彼らよりもずっと朽ち果てやすいわたしが、なぜか永らえて。
 朽ちつつある彼らを看取る。
 会話を交わさず……いや、交わせずに。





  氷雨かかり屋号の墨を削りゆく






I Don't Wanna Talk About It by Indigo Girls



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てぃくる 479 干物 [てぃくる]


 干すと味が出る。
 干物にするというのは、保存のためだけでなく美味しく食べるための知恵ですね。

 落語に『てれすこ』という演題がありまして。

 誰も見たことのない魚が浜に打ち上げられ、殿様がその名を知っておるものには褒美をつかわすという高札を立てました。ある漁師がお恐れながらと申し出て、その魚はてれすこと言いますだ、と。他に誰も知らないのですから、信用するしかありません。殿様は渋々褒美を与えましたが、どうにも騙された感が拭えず不愉快。

 一計を案じて、その魚をこちこちに乾し固めてしまいます。再び不思議な魚が上がったゆえ、名を知るものには褒美をつかわすと高札を立てました。先と同様に件(くだん)の漁師が現れ、その魚を見るなりそれはすてれんきょうと言いますだ、と即答します。

 当然、殿様は激怒しますわな。それは最初と同じ魚じゃ! 誰も知らぬをいいことに、嘘八百並べて儂をたばかったな!
 その漁師は、あえなく死罪を言い渡されてしまいます。いよいよ打ち首にされようという時、漁師はどうしても子孫に言い残したいことがあると殿様に訴えました。まあ、最後の一言くらいはよかろう。殿様は許可を出しました。

「死罪になってしまうゆえ、決してイカの干したのをスルメと言うでないぞ」



  (^^;;



 
 ということで。

 こいつは干物になっていますが、おいしくも、美しくもありません。
 殿、存分に成敗してくだされ。(^m^)



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 ヨウシュヤマゴボウの紫色の液果。干物になると、こうなりまする。





  柿干すや渋の凝りて押し黙る






She Dried by Jamie Isaac



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てぃくる 478 捕まえる [てぃくる]


 追いかければ
 捕まえてごらんなさいとひらひら逃げ回り

 諦めれば
 なぜしっかり捕まえてくれないのと罵られる

 女ってのは本当に面倒くさい



 わたしを捕まえてよと言ったら
 興味ないって放置したくせに

 わたしが興味を失ったら
 しつこくしつこく捕まえようとするの

 男って本当に鬱陶しいわね



ks.jpg


 ワイヤーフェンスの隙間に、クスノキの落ち葉。
 このままここにいるのも出て行くのも、自由自在です。

 でも、落ち葉を捕らえたり放したりするのはフェンスではなくて、気まぐれな風。
 まるで心のように落ち葉が揺れ動きます。


 あ。
 ちなみに。

 落ち葉の真ん中を走る太い葉脈の根元に、ぽつぽつと突起があるのがわかるでしょうか。
 これはダニ室と言います。中に、ダニが捕らわれています。(^m^)






  飛ぶ幸と飛ばぬ幸あり木枯らし吹く







Let the Cold Wind Blow by Kate Rusby



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てぃくる 477 スポットライト [てぃくる]


 スポットライトが突然当たって
 わたしは日の目を見た

 でも
 ライトが当たる前から
 わたしはずっとここにいて

 ライトが当たらなくなっても
 ここにいる

 気紛れなライトに
 振り回されるわけにはいかないわ

 あっちに行って!





him.jpg



いや
それはライトやなくて
おっさんのでこぴかなんやけど


(^^;;






 キンエノコロとヒメジョオン。
 彼らの姿を見かけなくなる日は、すぐそこまで来ています。

 その前に、こうやってぴかぱっぱ。(^^)






  霜月の光を束ね札値で売る







To The Morning by Dan Fogelberg



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てぃくる 476 焦げ付く [てぃくる]


「夏、暑すぎて、焦げ付いた?」

「いや、そんな風に見えるだけさ。日が翳ったら消える」

「ふうん。でも、明日になったら、また焦げ付くんでしょ?」

「俺が伐られなかったらね」



sd.jpg


 コンクリートの塀に、ルリマツリの枝の影。
 ずっと咲き続けて来たルリマツリも、そろそろ退場です。

 夏の間は緑の枝葉とどっさり咲く水色の花が賑やかで、影なんか誰も見やしません。
 焦げ付くような濃い影には夏のイメージがありますが、実際には夏が去って初めて目に留まる影もあるということですね。

 猛暑と台風に振り回された今年の夏。
 記憶に焦げ付く頃には、すでに冬の気配です。





  黒々と焦げ付くやうに冬の影






Les deux Guitares by Opa Tsupa




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ちょっといっぷく その172 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

ただいまお弁当休暇中です。

てぃくるのネタもだんだん秋画像から冬画像になってきま
したが、もうしばらくお付き合いください。


           −=*=−


書き物から離れて与太話をちょっくら。
# 与太話しかないじゃないかというツッコミはスルー。(^m^)

今年は、地震、台風、猛暑で様々なものが壊れました。
もちろん災害のない穏やかな状況が一番望ましいのは言う
までもありませんが、壊れて初めて気付かれることも多々
あります。

日頃、ネタ元にするためにたくさん撮っている写真。
わたしは、それを『ずっとそこにある、ありふれたもの』
としてを撮り続けていましたが、今年の台風でそれらのい
くつかが永遠に戻らなくなりました。

堂々と枝を張り巡らせていたシラカシの大樹が何本も折れ
たり倒れたりして何もない空間になり、薄暗い木陰が草ぼ
うぼうの明るい疎開地に変わっています。

わたしは鬱蒼と茂る常緑樹の林を毎日見続けて来ましたの
で、今の明るい草原は破壊の跡にしか見えません。
でも、たまたま散策に来た方にとっては、今の開けた原っ
ぱがもともとの姿。

何年かしてそこがアカメガシワやヌルデ、クサギなどの早
生樹でごちゃごちゃと覆われると、草原を見慣れた方は
きっとおっしゃるでしょう。

「きれいに刈り払って、もとの草原に戻してくれ」


           −=*=−


どこにも安定というものはなく、全てが変化し続けている
のは紛れもなく事実。
ただ変化が緩やかだと、それが強く意識されないだけなん
ですよね。
だから大きな災害があった時には、誰もが変化するという
ことの意味と影響を強く考えるんじゃないか。

そんな風に思うのです。

今年の台風では、社寺のご神木、有名な並木道の街路樹、
花見名所の桜の倒伏や折損が相次ぎ、景観が一変した場所
が随所にあります。

どうか。
過去の景色を思い返し、今どうなっているかをご覧にな
り、これからどうなるかをイメージしながら、変化の中身
を検証してみてください。
変化しないというのが、むしろご自身の願望に近いという
こと。それを実感するはずです。(^^)


           −=*=−


ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽
にコメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/




sds.jpg



伐り倒された巨樹の切り株 その上に落ちた種子

もう失われた生命 これから始まる生命

変化の結果 変化の始原

静かに 対比されている





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てぃくる 475 花ではなく [てぃくる]


 初冬までピンクの穂をどっさり掲げるイヌタデ

 色目の少なくなるこの時期に、ほんのり華やかさを演出します。
 でも、このピンクのつぶつぶ。花じゃないんです。



inu.jpg



 実は、このピンクの色は果実の上に被さっているがくの色。果実は黒褐色で地味なんですよね。
 このピンクが目立つ前に花が咲いているんですが、花には花弁がなく、花弁に見えるがく片があるだけ。とことん花らしくありません。

 まあ、どんな花であっても、いやそれが花でなくても、わたしたちはそのピンク色に愛らしさを感じます。
 時にはお赤飯(あかまんま)に見立てたりしてね。(^m^)





  こどもらは何を祝うやあかまんま






Red Rice by Eliza Carthy



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てぃくる 474 ぬる茶 [てぃくる]


「一休みなさったらいかがですか」
「そうだな」

「どうなさいました?」
「いや、ぬる茶が旨いなあ」

「あなたが根を詰め過ぎるから、冷めてしまったんですよ」
「ははは。熱過ぎたら飲めんからな。これでいい」

「ふふ」
「どうした?」

「いや、熱過ぎたら飲めない。冷めたら美味しくない。それって夫婦みたいだなあと思って」
「ぬる茶のような夫婦が一番か」

「どうなんでしょうね」
「さあな」



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  ぬる茶からもほっと湯気立つ夜寒かな







Home Is Where The Heart Is by Clive Gregson & Christine Collister



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てぃくる 473 翼をください [てぃくる]


 いえ、日本サッカーの応援歌の話ではなく。
 植物のタネの話です。(^m^)

 植物はいろいろな方法でタネをばらまきますね。
 動物に食われたり、体に引っ付いたり、自重で転がったり、ぱちんと弾け飛んだり。
 でも、タネを散らすためにもっとも多く用いられるキャリア(運び屋)は、風でしょう。

 軽いタネであれば、何百キロも離れたところにまで子孫をばらまくことが可能ですし、親の近くにばかり子供がごちゃっと生えてしまう心配もなくなります。

 タネを風に乗せる方法にもいろいろあります。綿毛を使うものは長距離の移動向き。でも、綿毛で飛ばせるのは軽くて小さなタネ限定ですね。その点、タネに翼を付けるという方法は、飛行距離は限られますが簡易で効果的。翼の大きさ次第で、かなり大きなタネでも飛ばせます。熱帯のフタバガキのタネは、でかいプロペラ付きで有名です。(^^)

 さて。ここに、文字通り変わりダネがおります。



kyk.jpg



 ケヤキ。街路樹にもよく使われる、長命で樹形がとてもきれいな落葉広葉樹ですね。ケヤキの属するニレ科の樹木は、翼のついた薄っぺらなタネを作るものが多いんですが、ケヤキは違います。

 小枝の葉の付け根にちょびちょびとついているのがタネなんですが、見ての通りで、タネには翼が付いていません。じゃあ、どうやってタネを飛ばすのか。

 この小枝ごと飛ばすんですよ。(^m^)

 花芽が付く小枝には普通の葉と違って小さな葉が生え、それが翼の代わりになるんです。タネは小枝ごと脱落し、枝にくっついている葉で風を受けて飛んでいきます。

 もし、お近くにケヤキの木があれば、こういうちび葉のついた枝が落ちてないか探してみてください。(^^)/





  裸木に虫の殻のみ残りけり






Fly Away by Corrinne May



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