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2017年07月| 2017年08月 |- ブログトップ

てぃくる 332 薄紅の泡 [てぃくる]



泡が弾ける寸前に美しく色付く。
それは虚しくないか?

「いいえ。命を懸けた恋というのは、そういうものですから」




srs.jpg

(サルスベリ)




水泡に帰す。
何もかもが無駄になってしまうことのたとえ。

しかし。
多くの人は、最後の『無駄になったという事実』しか見ない。

弾け消える寸前の泡が、どれほど美しいかを。
……見ない。






  泡一つ出て空蝉しつかりと








Bubbling by Aswad



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てぃくる 331 恋の炎 [てぃくる]


 湧き上がる想いがそのまま炎と化し、この身を灼き尽くしてしまえばどれほどいいかと。
 人魚姫はそう嘆いた。

 身を捨てれば、想いしか残らない。
 諦めれば、想いすら残せない。

 ああ、わたしは。
 どうしたらよいのだろう?



glr.jpg

(グロリオサ)





 人魚姫の嘆きをじっと聞き続けていたオババは、手にしていた杖で床をこつこつと突いた。

「そうだねえ。おまえの想いを炎に変えることはたやすいよ。でも、それじゃあ、焼き人魚が一匹出来るだけだ。しかも、下半分しか売り物にならん」




(^^;;






 恋は盲目。周囲が見えなくなることは珍しくありません。
 当然、そこにはいっぱい隙が出来るわけで。
 それに乗じておぜぜを巻き上げようという商売が、山のように生まれるわけです。


 好きがいっぱい……はいいんですが、隙がいっぱいには、どうかご用心を。






  夏の日や恋の炎の目くらまし








Mermaid by Train



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ちょっといっぷく その155 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

一足早く夏休みに突入していますが、頭の中が完全に夏枯れ
で、ちぃとも執筆が進みません。はふ……。


           −=*=−


お盆ですね。
実家が今の居住地から離れているので、お盆には帰省せず時
期をずらして帰ることにしています。
そのため八月後半は不義理するかもしれませんが、どうかご
容赦ください。

帰省までは、暑い暑いと文句を垂れ流しながら息子の夏休み
の宿題をひぃこら見てやる日々が続きそうです。


           −=*=−


最近は、カクヨムの方の自主企画に繁く顔を出して、小品を
ばらまいています。
わたしゃあくまでも非主流派なので、同じように番外地での
んびり過ごしてる人たちとあれこれツッコミ合っていると言
うか……。

まあ、本館も夏枯れですし、今は気合いの入らない時期なん
でしょう。
そう言う時には無理をせず、あちこちで小ネタとジャブを繰
り出しながらやり過ごすことにします。


           −=*=−


日常生活は代わり映えしないんですが、プリンターを七年ぶ
りに買い換えました。
富士ゼロックスのDocuPrint C1100。
二万円以下でカラーレーザープリンターが買える時代になっ
ちゃったんですね……。隔世の感があります。

サイズがややでかいというのが欠点ですが、その分メンテも
容易ですし、印字速度も予想以上に早いです。個人用なら十
分お釣りのくるクオリティでしょう。
いい時代になったものです。


           −=*=−


一得一失。
職場の組合当番の年季が明けたと思ったら、今度は自治会の
役員が回ってきました。
まあ、日常生活にひどく食い込むほどの負荷量ではないの
で、のらりくらりと二年間やり過ごすことにします。

ああ、めんどくさと思いながら。
人を入れ替えながら綿々と続いていくゾンビのような組織
に、若干の恐怖を覚えながら。
それでも、人と人がつながっているというのはこういうこと
かと、半ば納得しながら。

うらうらと日々は過ぎていきます。



ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/




mk.jpg



「ふふふ。俺の下に海水浴客がいるとは誰も思うまい」
「いたからなんだって言うわけ?」



(^^;;






真夏の松緑も、曇り空の下ではモノクロです。
ま、涼しいからいいんですけどね。



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てぃくる 330 晴雨 [てぃくる]


vca1.jpg



晴れてからするつもりなので、雨が降ってる間は絶対にしない。

晴れていれば難なく出来ることが、雨が降ると何も出来なくなる。

晴れていた時にはしようと思ったけど、雨が降ったらしようと思わなくなる。

晴れた時にしていることは、雨が降ってもしなくてはならない。

晴れていたらやろうとしたことを、雨が降ってからしょうがなくやった。

晴れた時にすることと、雨が降った時にすることは違う。


晴れていてもしたくないのに、雨が降ったらますますしたくない。

晴れていた方がきっちりやれるんだけど。雨でも出来なくはない。

晴れたらやろうとずっと待っていたんだけど、雨が降ったから待つのをやめた。

晴れていたらするっていう言い訳は、雨が降ったからやらないという言い訳とは違う。

晴れたからと言って何か出来るわけでもないし、雨が降ったからと言って何か出来なくなるわけでもない。

晴れた時にしたことと、雨が降った時にしたことを比べて、思わず苦笑する。




vca.jpg



私たちが何をしようと、何もしなかろうと
晴れるし、雨が降る








  追憶や雷雨の奥の小引出し








We Stay Still by Roger Eno & Kate St. John

ケイト・セントジョン。ドリーム・アカデミーのメンバー
だった女性オーボエ奏者&シンガーさんです。
しっとりした歌声を聴かせてくれます。

共演しているロジャー・イーノは、ロキシーミュージック
の初期メンバーでアンビエント音楽奏者として有名なブラ
イアン・イーノの弟さんですね。



てぃくる 329 日の丸弁当 [てぃくる]




我々は日本国の衰微を目の当たりにし、
その惨状を心から憂う!






「おい、あいつはなにをがなり立ててるんだ?」

「ああ、日の丸のど真ん中が黒くなっていたらしい」
「は?」
「経費節減で、梅干しが海苔の佃煮になってたんだってさ」




tbk.jpg

(ツブカラカサタケ)






  梅干しも沢庵も去り キャラ弁当

無季句。






Black is the Colour of Hope by Chris McDonald and Rod Da Rosa


昨年、交通事故で突如還らぬ人になったブラックこと
コリン・ヴァーンコムへのトリビュートソングですね。




てぃくる 328 赤くする、赤くなる [てぃくる]



エビやカニを赤くするにはどうすればいい?
「茹でると、赤くなるよ」

お赤飯を赤くするにはどうすればいい?
「ササゲや小豆で色出すより、食紅使った方が赤くなるね」

新生姜を赤くするにはどうすればいい?
「酢に漬けると、ほんのり赤くなるんだ」

トマトを赤くするにはどうすればいい?
「しっかりお日様に当てれば、赤くなるさ」

白バラを赤くするにはどうすればいい?」
「水に赤インクを溶かしてそこに生ければ、赤くなっちゃう」

信号を赤くするにはどうすればいい?」
「ちょっと待っていれば、勝手に赤くなる」




keb.jpg

(コエビソウ)





人を赤くするにはどうしたらいい?
「男なら怒らせる。女には愛の言葉をささやく。それで赤くなるよ」







  はち切れる激情のままトマト剥く









Red Barchetta by Rush



てぃくる 327 さねかずら [てぃくる]




 望ましきことはなくとも咲く花の

  俯向けどなほ見ゆるものかは




snk.jpg



 サネカズラ。マツブサ科のつる植物で、特に珍しくはありません。盆栽材料としてもよく見かけますし、山野の中に踏み込まなくても、市街地でも見かけたりします。

 花はご覧の通りで地味ですね。秋に実る真っ赤な果実とは好対照のお地味さなんですが、わたしはこの花の風情が大好きで、よく写真を撮ります。

 誰が見てくれるわけでもありません。薄暗い木陰にひっそりと伸ばされた蔓のところどころに。俯き加減の小さな花が、ぽつぽつと飾られています。




 嬉しいことはなにもないよ。
 でも花っていうのは、そんなことに関係なく咲くの。
 俯いていたら何も見えないだろうって?
 ううん、そんなことないよ。
 ちゃんと見える。

 ……あなたがね。







Don't Look Down by Foxtails Brigade

こういうトラッドの匂いがするものは大好物です。(^^)
地味ですけどね。



てぃくる 326 密談 [てぃくる]



nz.jpg



「なあ、俺たちこんなところで油売ってていいんかなあ」
「いいんちゃう? 売れる油なんかないし」

「なあ、俺たちこんなところで雨乞いしてていいんかなあ」
「いいんちゃう? ずっと雨宿りするならまず降らさないと」

「なあ、俺たちこんなところでダベってたら共謀罪になるんかなあ」
「いいんちゃう? ヒアリっていうもっと凶暴なやつが来てるから」

「なあ、俺たちこんなところで利益独占してていいんかなあ」
「いいんちゃう? このあと花ごと落ちるんだし」

「なあ、俺たちこんなところで密談してていいんかなあ」
「いいんちゃう? 密談じゃなく蜜談だから」






蜜を大量に分泌するノウゼンカズラの花。
アリだけでなく、たくさんの昆虫が蜜を目当てに訪花しますね。
もっとも、蜜に夢中の虫たちに、会話なんか交わしてる暇はないのかもしれません。






  火も虫も食ひつつ空へのうぜん花







Some Skunk Funk by Brecker Brothers

彼らの代表曲の一つですね。



てぃくる 325 えんじゅ [てぃくる]



ej.jpg

「ねえ、おばあちゃん、これって何の花?」

「ああ、それね。枝垂れ槐」


「ふうん、なんか地味ぃ」


「あはは。そうね。まあ、縁起物よ」


「縁起物?」


「そう。中国でも、偉い人が庭に植えたそうだよ」


「うちには、ぜんぜん関係ないじゃん」


「そうね。今は何が何でも出世しろっていう時代じゃないしね」


「こんな地味な木じゃなくて、もっときれいな花が咲く木の方がいいなー」


「あら。あんたも偉くなろうとしてるじゃないの」


「え?」


「気付かないかい?」


「……」


「偉くなるってことは、人を下敷きにするか、誰かに持ち上げてもらうってことさ。黙って偉くなれることはないね」


「それが?」


「あんたは、きれいな花かどうかってところしか見てない。この木がどうしてここにあるのか、それにどういう意味があるのか。何も考えてないでしょ?」


「……うん」


「それは、人のいいところだけちょろまかそうっていう姿勢なの」


「ええー?」


「不本意かい?」


「そりゃそうよ」


「じゃあ、もう少し知ろうとしなさい。その相手が人であっても、この木であってもね」


「どして?」


「表だけを見て判断するってこと。あんたがそうすれば、あんたもそうされるの。それでいいの?」


「いや、それは……」


「でしょ? まあ、いきなり難易度の高い相手でやれなんて言わないよ。まず、このえんじゅから始めればいいじゃない」


「でも、今おばあちゃんに教えてもらっちゃったからなあ」


「何言ってんの。私が言ったのなんか表だけよ」








  花探し腹波打たす夏の蜂







Honey And The Bee by Owl City



ちょっといっぷく その154 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

ぶつぶつ細切れのアップになってしまっていますが、在庫を
けちけち使っているのでご容赦ください。

このあと本編はしばらくお休みとし、しばらくてぃくるでし
のぐことにします。
備蓄があと数話できたところで再開いたしますが、どのくら
いのペースで執筆できるか全く見通しが立っておりません。(^^;;

とりあえず、小ネタだった第63、64話をさらっとおさら
いしときます。


           −=*=−


第63話。

以前、精神を病んだ学生が五条さんを刺してしまった事件が
ありました(一年生編第146話)。その修羅場に居合わせ
たいっきとしゃらですから、元原のつきまといには最大限の
警戒をしましたね。

前と違うのは、その事件で懲りた学校と五条さんが、元原の
異常行動に対して先に手を打ってくれたこと。
何か起きてから関係者がサポートするのではなく、本人への
警告も含めてサポーターが二重三重に対策を取りました。

実際にここまで先手が打てることはなかなかないと思うんで
すが、対応が後手に回っている同種事件へのアンチテーゼと
して、こそっと問題提起してみました。

わたしの提起の主眼は、校長や五条さんがとった対策の中身
ではありません。事が重大化しないうちに関係者間でもっと
密に情報共有し、連携して対処して欲しいということなんで
す。
もっとも、当事者のプライバシーや人権の問題が絡みますの
で、そう単純な話には落とし込めないかもしれません。

そうそう。タカと五条さんの間に第一子の女の子、千広ちゃ
んが誕生しました。
一番ほっとしたのは、五条さん自身だったでしょう。
無事に出産を終えたということもですが、生まれたのが女の
子であるということにね。

もちろん、男女それぞれに育てる困難さはあるでしょう。
でも、男系家族で女の子には間違いなくベタ甘になるタカと
その家族は、五条さん以上に千広ちゃんを囲い込むでしょう。
その分だけ、五条さん自身が背負うものを小さくできますか
ら。

五条さんに関しては、着々と過去からの離陸が進んでいます
ね。


第64話。

期末試験を無事乗りきったいっきとしゃらですが、同時にク
ラスの雰囲気が受験態勢にがらっと切り替わりました。
新クラスになった時の尖った雰囲気は、クラスメート一人一
人が受験に向き合う中で徐々に解消されていきます。

いっきもしゃらも、今の三年のクラスがこれまでのアットホー
ムな雰囲気と違うことに一抹の寂しさを感じていますが、同
時にほっとしてもいるんですよね。
高校生活の最後の最後に、嫌な思い出を抱え込まずに済むか
なーと。(^^)

元原のつきまといが止み、再発防止策も動き出して。
しゃらもいっきも、自分自身の進路のことに集中出来るよう
になりましたね。

生まれたばかりの千広ちゃんの顔を見て、元気をもらって。
さあ、そろそろ終業式です。
高校最後の夏休み、そしてこれまでずっと二人三脚だった二
人が、しばらく離れ離れになる期間が近づいてきました。

二人にとってこの夏は、これまでとは違った意味で大きな試
練になるかもしれません。


           −=*=−


さて。これからしばらくてぃくるで幕間をつなぎます。少し
お弁当が作れたら、一学期終業式までの四話を続けてお届け
しようと考えています。



ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/





aj.jpg


空の切れ端 葉の間に光り
雨の切れ端 紫陽花に凝る





蔵出しし損ねた紫陽花の記憶。
その切れ端をここに。




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