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ちょっといっぷく その149 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

長大な第53話と第54話をお目通しいただきました。いか
がでしたでしょうか?
対になっている話なので、二つまとめてざらっと総括してお
こうと思います。


           −=*=−


見ての通りで、しゃらのお兄さんである則弘が連れ帰ってし
まった弓削さんという女の子のケアを巡るお話でした。

弓削さんの過去そして現況は恐ろしいほど悲惨なんですが、
本人になんとかしようという意思があればすぐにケアが動き
始めるはずなんです。
でも、その肝心の本人にまるっきり悲壮感がない。

つまり……弓削さんの場合もっとも悲惨なのは、弓削さん自
身が全てを受け入れる生き方しか出来なかったこと。
外部から加え続けられた圧力に性格が押し潰されて、自分自
身の意思や感情を極限まで削り取られていることなんです。

プロである森本先生すらあまりの悲惨さに絶句しているくら
いですから、素人のいっきには手も足も出ません。

第53話で長々と森本先生が嘆いた福祉の現状。
それは、福祉の制度やそれに関わる行政がもう少し改善され
れば救える子がもっと増える……そういう願望から来るもの
で、決して現行の制度を全否定するものではありません。

でも、それがどんなにマシになっても弓削さんのケアを行え
る手段がない。
森本先生だけでなく、五条さんや長友さんも含め、子供のケ
アにあたる最前線の人たちが揃って絶望的な心境に陥ってし
まいました。

いっきは素人ですから、自分が直接弓削さんのケアに関わる
ことは出来ません。弓削さんに真摯に関わってくれる人を探
すくらいしかやれることがないんです。
そして、不幸にもそうしてくれそうな人が身近にいますよ
ね。そう、巴伯母さんです。

でもね、いっきは絶対に伯母さんを頼りたくないんです。
これまでいっきが伯母さんとのジョイントを設定してきた友
人たち、りん、恩納先輩、ばんこは、あくまでもシェアハウ
スの同居人。
伯母さんとは対等な関係で、家事を分担し家賃も入れますか
ら、それぞれの独立性がちゃんと確保されているんです。

いっきは伯母さんに、友人たちの面倒を見てくれとは一言も
言ってません。
家事分担してくれる友人がいるんだけど、同居どうすか? 
そういう振り方なんですよね。
自分は単なる仲介者であって、同居したことによる責任は当
事者が負うわけですからうんと気楽だったんです。

しかし弓削さんのケースは違います。
弓削さんは、自発行動が期待出来ない赤ちゃんと何も変わら
ないんですよ。
誰かが密着して、彼女と赤ちゃんの世話をしなければならな
いんです。

弓削さんをケアする義理なんかない伯母さんに弓削さんを押
し付けるわけにはいかないけど、伯母さんにすら見放された
ら弓削さんも赤ちゃんも共倒れになりかねない。
しかも、いっき自身は何も出来ない。

これまで、自分から動く、もしくは相談を受けて解決策を探
るという形で大方のことを解決してきたいっきにとって、初
めての難しいケースで、しかも深刻な挫折になるんです。
挫折と言っても、いっきが失敗したからではありませんよ。
現実を突きつけられて、それをこなせない挫折なんです。

いっきは、その挫折は見たくないでしょうねえ。

中学の時に受けた激しいいじめは、自分にもう少し強い意思
と力があればはね返せた。
事実、高校に入ってからは自力で困難を乗り越えてきてる。
いっきはそう考えています。

でもね。それは親、会長、五条さん、学校の教師たち、そし
て巴伯母さんという強力なサポーターのバックアップあって
こそなんです。
いっきが現実だと思っていた世界は、そういう防波堤の中の
出来事。防波堤の外に放り出されてほとんど壊れてしまった
弓削さんが、間違いなく現実なんです。

いっきは、自立に向けて順調に進んでいると思っていた自分
自身がまだまだ脆弱な存在であることを認めざるをえなくな
ります。
それが……強烈な心理的プレッシャーを生み出すことになっ
てしまいます。二年生編の夏休みの時の不安定感が、またぞ
ろ再燃してしまうんです。

……試練ですね。


           −=*=−


一方で、いっき以上に激しいダメージを食らったのが、ろく
でなしの兄貴の災厄をもろに被ることになってしまったしゃ
ら。

これまで、いっきとの明るい未来を夢見て一生懸命前向きに
努力してきた成果が、一瞬で木っ端微塵になりました。

兄の則弘や弓削さんのことを別にしても、今のしゃらには不
安材料しかないんです。
お店と家の新築で、金銭的にぎりぎりの生活をしている。
母親が病気で家の中のことをしなければならない。
進路もまだ不確定。
自分の厳しい状況を熟知してるいっきが全面サポートしてく
れるので、辛うじて堪えてる状況なんです。

そこに訳ありの弓削さんと犯罪者の兄貴がセットで降ってく
れば、なおかつ平常心を保てという方が無理です。
いっきが冷静にフォローしましたが、いっきも巴伯母さんへ
の負い目と無力感を覚えていますから、不協和音が出やすく
なります。
今後トラブルのタネになりそうな予感が。(^^;;


           −=*=−


さあ、これからどうなるか、ですね。
いっきは、森本先生と巴伯母さんをリンクしたところで弓削
さんの件に関しては一旦撤退です。
いっき自身に出来ることが何もない以上は、どうしようもあ
りません。

そして、兄の則弘と徹底的に距離を取るようにと五条さんや
いっきに釘を刺されたしゃらとその家族は、その忠告を遵守
するしかありません。

突然降ってきた災厄から、時空間的に遠ざかる。
いっきもしゃらも、今はそれしか出来ないんです。

不安、不満、怒り、後悔……感情の波は立ちますが、それを
越えていかないと明日が来ません。
弓削さん関連のことは、二人から一度切り離されることにな
ります。


           −=*=−


このあと、第55話から57話まで続けて三話お届けします。

突然帰還したしゃらのお兄さんが持ち込んだ厄災。
それによって気分最悪になっていたいっきとしゃらなんです
が、世の中悪いことばかりではありません。

いっきとしゃらに、これ以上ない朗報が飛び込んできます。
さあ、それは何か。

ここのところ全くいいことがなかった二人にとっては、久し
ぶりのハッピー連打。いっきとしゃらだけでなく、その周囲
の人たちも含めて運気が変わります。

楽しく読んでいただければ。(^^)




ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/






sk.jpg

(エドヒガン)






『さくらのきおく』

さくらが ちったときに
きおくも いっしょに
ちったのだろうか

それとも

さからが ちっても
きおくの なかでは
ずっと さいているのだろうか

それが げんじつなのか
きおくのなかの げんそうなのか
わからぬうちに

また さくらがさき
さくらがちる

 

 

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コメント 4

JUNKO

同じ思いです。
by JUNKO (2017-04-27 19:19) 

水円 岳

>JUNKOさん

コメントありがとうございます。(^^)

毎年同じように桜を撮っているよなあと思いながらも。
また、今年の桜を撮って、その行く末を眺めていました。
来年もまた桜を見られることを祈念しながら。

by 水円 岳 (2017-04-28 00:15) 

風来鶏

毎年、誕生日(ふぢたしょうこさんと同じ4月6日)には”満開の桜”で祝って貰えるのですが、今年は開花が遅れたので、誕生日プレゼントを貰い損ねたような気分です(^^;;
by 風来鶏 (2017-05-07 20:43) 

水円 岳

>風来鶏さん

コメントありがとうございます。(^^)

今年は咲き出しが本当に遅かったですね。(^^;;

なんか咲かない咲かないと思ってるうちに、はっと気づいたら
終わってたような……。

by 水円 岳 (2017-05-09 00:20) 

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