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てぃくる 69 交信 [てぃくる]



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「もしもし。聞こえる?」

「聞こえるよ」

「兎、いるの?」

「いないよ。一面の荒れ野さ」

「夢がないんだね」

「どうして? 荒れ野っていうだけで、他のことはなにも分
かってないでしょ?」

「……うん」

「今、君が見ている月も。今ここにいる僕が見ている月面も
どちらも現実だよ。そして、僕らはその全てを見ることは出
来ない。決してね」

「そうだね」

「だから、夢が消えることはないよ」

「だけど……」

「そう。交信は出来るけど、僕らが交わることは出来ない。
それだけさ。だから、君は夢を見て。僕がここに在るように
と」

「うん、分かった」

「じゃあね」

「おやすみなさい」

ぷつん。

つー……。


『交信終了』








『浮き世の穢れに交わることなく、月は青々と冴えわたる。
 わたしは、自ら塔となってそれに手を伸ばす。

 お互い。
 何も言葉を交わすことなく。

 それでも何かを語り合おうとして』



拙著『月と鉄塔』から。









Transmission Ends by Chris De Burgh

 

 


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コメント 6

ふうまま

月に兎がいるって信じていたい私です(^^)
青い空に浮かぶお月様
何だか寂しげに見えるけれど好きです。
by ふうまま (2014-03-13 12:06) 

風来鶏

私が死んだら、遺骨の一部を月に送って欲しいと思います!?
だって、空を見上げれば“私のお墓がある”なんて素敵でしょ^^
by 風来鶏 (2014-03-13 23:39) 

水円 岳

>ふうままさん

コメントありがとうございます。(^^)

月には何とも言えない魔力がありますよね。
地球に一番近い天体なのに、未知のことが多いのも
不思議だなあと思います。
そういう部分は、ずっと残っていって欲しいなあ……。

by 水円 岳 (2014-03-14 02:02) 

水円 岳

>風来鶏さん

コメントありがとうございます。(^^)

月の土地は分譲販売されているそうですから、あなが
ち夢の話でもないかも。
# どうやって現地に持ってくかがモンダイですが。(^^;;

by 水円 岳 (2014-03-14 02:03) 

ちゅんちゅんちゅん

おはようございます!
本館のほうもお邪魔したいと思います。
とりあえず ポチだけしてまいりました(^^)


自分の目に映る月は
いつも霞んでます。
霞に隠れて 兎や魑魅魍魎がいても
不思議じゃないです。
by ちゅんちゅんちゅん (2014-03-31 08:34) 

水円 岳

>ちゅんちゅんちゅんさん

コメントありがとうございます。(^^)

本館も、お暇な時にお目通しいただければ。
もっとも、月と鉄塔はわたしが書いた中では
一番暗い話なので、アレなんですが。(^^;;

人類でも、月を踏査した人はほんのわずかしか
いないわけで。
しかもその真偽が今でも問われてます。
月の秘密が暴かれることは、当分はないかなあと。(^^)


by 水円 岳 (2014-04-02 00:39) 

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