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このおはなしについて


ご訪問ありがとうございます。(^^)

 ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌は、父親の転職に合わせ
てとある街の新居に引っ越してきた男の子、いっきこと工藤
樹生(いつき)の高校生活三年間を、主人公本人が日誌のよ
うな形で綴って行く小説です。基本、一日で一話が完結する
オムニバス形式になっています。

 通い始めた田貫第一高校(ぽんいち)の荒れた中庭を再生
する。いっきの小さな思いつきは、やがて多くの人々を巻き
込んで、いっき本人が思いもよらなかった様々な人間模様を
生み出すことになります。

 恋人になるしゃらこと御園沙良(みその さら)、親友と
していっきと絡むかっちんこと中塚勝広(なかつか かつひ
ろ)となっつこと井本夏乃(いもと なつの)、いっきたち
を支える生物教師の中沢瑞宝(なかざわ みずほ)と婦警の
五条千咲(ごじょう ちさき)。

 そして、いっきやしゃらの園芸の先生として二人の生き方
に深く関わるようになる隣家のおばさん、会長こと波斗聡子
(はと さとこ)。

 いっきはたくさんの人々との関わりを介して、何を見て、
何を感じて、その高校生活を駆け抜けて行くのでしょうか?
そしてそれを、どう自分の未来につなげていくのでしょうか?

 長い長いおはなしになると思います。どうかお暇な時にで
も、ご一読いただければ幸いです。(^^)



                    水円 岳 拝


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認証は『46』です。
「読む」ということで。(^m^)


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三年生編 第66話(4) [小説]

「なんで、英語のコーディネーションを縮めて、コーデ班と
いうのはどうだろうかって案が出てます」

わはは。なんか、服の着合わせみたいだ。
うん。おもろいやん。

「まだあります」

「トオルの補佐は、企画班の班長と班員でする形になってた
んすけど、今回は全然機能しませんでした」

「さっきトオルがぶち切れたみたいに、結局一人でやれよっ
ていう形になってっちゃう。それを防ぐために、サブマネを
新設することにしました。臨時のチームじゃなくって、パー
マネントにマネージャーチームを置こうってことっす」

菅生くんが、一年生たちの方に目を向けた。

「高橋くん、江本さん。その二人に、サブマネをお願いしま
した。二年生も、企画班の班長だったおばやんをサブマネに
振り替えることにします」

「高橋くんと江本さんにお願いしたのは、二人が一年の中で
一番はっきり自分の意見を言ってきたからです」

「調整は、なんでも言うことを聞く人にはこなせないっす。
だって、みんな勝手なこと言うんだもん」

「だあってろ、ぐだぐだ言うな! 俺以上の案があんのか?
あるなら出してみろや! そうずばずば言える人じゃないと、
出来ないんです」

「それに、自分の意見を通そうとするなら、ただ言いっぱじゃ
なくて、人の意見をよく聞いてここがダメって突っ込まない
とうまくいかないすよね? そういうのが出来る二人だから、
やってよってお願いしたんです」

「トオルも、高橋くんや江本さんも、はっきり言います。そ
うしないと何も決まってかないから。だからみんなもマネー
ジャーの調整がおかしいと思ったら、はっきりそう言わない
とだめっすよ」

菅生くんは、はきはきとここまで説明して。
ちょっと間を置いた。

「いいすか? プリントに書いてあるのはまだ案です。こっ
ちの方がいいんじゃないかとか、自分にもサブマネやらせろ
とか、そういう申し出は全然おっけーっす」

「それと、来年誰がトオルの後をやるかは、サブマネの持ち
上がりにしません。俺らの時もそうだったけど、三役をどう
するかは一年の間で話し合って決めてください。まだまだ先っ
す。慌てなくていいっす」

じいっと目をつぶって聞いていたかっちんが、菅生くんの話
をまとめた。

「三役の他に、企画班、コーデ班、実務班、マネージャー
チームを置くということだな」

「ぶっちゃけ、そうっす」

すかさず関口がダメを出した。

「無駄だ。コーデ班は要らん。全部GMにぶら下げろ」

「同意」

僕も、手を挙げた。

「んだな」

「その方がすっきりする」

しのやんとうっちーが頷いた。

菅生くんが、ばりばりと頭を掻いた。

「そうっすよねえ……でも、それじゃトオルがきつくないす
か?」

「いや、サブ置けば、それで仕事割り振れるだろ?」

「あ、そうか」

「しのやんが、うっちーとももちゃんに仕事割り振ってたみ
たいに、そこで調整すればいいんちゃうかな?」

「分かりました」

「じゃあ、マネージャーチームの名前はどうすんのー?」

さとちゃんの突っ込みが入った。

いひ。

「え? 工藤先輩、何かアイデアが?」

「僕が言ったらつまらんじゃん。プロジェクト内で公募すれ
ば?」

おおおっ!

「まあ、それは急ぎじゃないから、夏休みの宿題ってことに
したらいいよ」

菅生くんが、発言をまとめる。

「そしたら、実務班、企画班の二班と、マネージャーチーム
で運営ってことすね」

すかさず、しのやんから指摘が入った。

「いいんじゃないかな。でも、マネージャーに与えられてる
権限は班から切り離して。それは前のままでキープ。マネー
ジャーから手伝えって言われたら断れないようにしないと、
結局統括出来ないよ」

「うっす!」

今度はがっつり権限強化されて、少しだけ溜飲が下がったん
だろう。
硬い表情のままだったけど、四方くんが大きく頷いた。

議論をじーっと聞いていた中沢先生がすっと立って、菅生く
んの横に立った。

「スクラップアンドビルド。壊して、また作る。いい例だね」

にっ。

「マネージャーを独立させたのは、企画班のなり手がいない
と結局班長が一人で仕事させられるっていうことになるから。
そうだったよね?」

「そっすね」

「でもね。四方くんをマネージャーとして独立させた時点で、
企画班班長の仕事がなくなっていたんだ。班長の仕事は補佐
じゃないよ。舵取りさ」

確かになー。僕も、そこまでは目が届かなかった……ってか、
二年生に任せてたからチェックし切れなかったんだ。

「今の班長の小畑さんの責任じゃないよ。私が班長でも、マ
ネージャーいるのに私は何したらいいんだろって思うさ。組
織の形が歪んでたんだ。それが今回ぼかんと出ただけ」

「工藤くんが何度も言ってたと思うけど、やってみてダメだっ
たらすぐ組み替える。部っていう入れ物やしきたりをかちか
ちに考えないで、いつでもさっと動かせるようにしておく。
とても大事なことです」

「学校の決まりは原則として動かせないの。その制約の中で、
どこまで自分たちの頭をゆるゆるにして、動けるようにする
かを考える。スクラップアンドビルドに、しっかりチャレン
ジしてください」



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